【製品解説】AI Database(AIDB)7.6.0
Postgres内で自律型AIエージェントを実行 〜SQLネイティブなツール呼び出し、MCPサーバー連携、クレデンシャル漏洩検知を統合:Postgres内でAIワークフローを完結させるAIDBが最新化!ReAct推論ループを備えたAIエージェント作成機能やカスタムSQL/MCPツール連携をはじめ、環境変数によるシークレット管理や漏洩監査機能を搭載。データベース内AI活用を新次元へ進化させます。
1. AIDBとは?
AIDB は、EnterpriseDB(EDB)が保守・提供するPostgreSQL拡張機能であり、AIデータワークフローをPostgreSQLデータベース内に直接統合します。SQLネイティブな宣言的インターフェースを提供し、データベース内でのパース、チャンク分割、OCR、要約、埋め込み(Embedding)生成から、RAGアプリケーションやセマンティック検索/ハイブリッド検索、ツール呼び出し機能を備えたAIエージェントの作成・実行まで幅広くカバーします。
2. アーキテクチャ
AIDBは、以下の4つの主要なビルディングブロック(構成要素)を使い、PostgreSQL内部でSQLを通じて完全に動作します。
- AIパイプライン(
aidb.create_pipeline): データソースからデータを読み取り、パース・チャンク分割・OCR・要約などの変換を順次行なって結果を保存するマルチステップワークフローです。 - ナレッジベース(ベクトルおよびセマンティック): 埋め込みをベクトルインデックス(HNSW、IVFFlat等)付きテーブルに保存して検索を提供する「ベクトルナレッジベース」と、スキーマ構造やメタデータをインデックス化して自然言語によるText-to-SQLを実現する「セマンティックナレッジベース」を備えています。
- エージェント(
aidb.create_agent,aidb.agent_converse): プロンプト、モデル、ツール群で構成され、ReActスタイルの推論ループ(思考 $\rightarrow$ ツール呼び出し $\rightarrow$ 観察)を実行して正確なデータベース情報に基づいた回答を生成します。 - ツール(
aidb.tools): ネイティブツール、カスタムSQLツール、外部MCP(Model Context Protocol)サーバーからインポートしたツールを一元管理する統合カタログです。
3. 主なメリット
- データがPostgres外部に出ない: 外部送信に伴うセキュリティリスクを排除し、データベースの境界内で安全にAI処理を完結できます。
- SQLを共通インターフェースとして利用可能: DBAや開発者が使い慣れたSQL構文を使ってAIやRAGアプリケーションを直接構築できます。
- 外部インフラの削減: Airflowなどの外部ETL・オーケストレーション基盤を不要にします。
- リアルタイムな自動同期: トリガーやバックグラウンドワーカーにより、元データの変更に合わせてベクトル埋め込みを自動的に最新化します。
- モデルランタイムの柔軟性: データベース内でのCPUローカル実行(llama.cpp等)と、外部クラウドAPI(OpenAI、Anthropic、Gemini等)の両方に対応しています。
- エンタープライズレベルのセキュリティ: RBAC、行単位セキュリティ(RLS)、環境変数によるシークレット管理、送信先許可リストに対応しています。
4. バージョン 7.6.0の新機能
【新機能】
- SQLネイティブなエージェント&ツールフレームワーク: 自律型エージェント推論ループ(
aidb.create_agent/aidb.agent_converse)を導入。ツールハブ(aidb.tools)を新設し、カスタムSQLツールや外部MCPサーバー連携を実現。 - ネイティブツール呼び出し対応のモデルアダプター: OpenAI Responses APIおよびAnthropic Messages APIにネイティブ対応し、正規プロトコルでのツール呼び出しに対応。
- llama.cpp によるローカルリランキングとOCR:
llamacpp_reranking(クロスエンコーダー/デコーダーオンリー型)およびllamacpp_ocr(画像テキスト抽出)を追加。 - 環境変数による認証情報の安全取得:
credentials_envやheaders_envを追加し、サーバー環境変数から安全にシークレットを読み込めるよう改善。 - セマンティックナレッジベース(Semantic KB)の強化:
aidb.semantic_kb_search()による統合検索や、単一KB時の指定省略など使い勝手を改善。
【セキュリティおよび信頼性の向上】
- 漏洩クレデンシャルの検知: 直書きのAPIキー設定を拒否し、過去設定を検査する
aidb.audit_leaked_credentials()を追加。 - 不正な文字を含む認証ヘッダーによるクラッシュ防止バリデーションを追加。
- 関数名を
aidb.generate_text()/aidb.generate_text_batch()へ改名。 - パイプライン指標に最終実行完了時刻(
last_run_completed)を追加。